【楕円】RIDEA 非真円チェーンリング インプレ
興味は持っているがとっつきにくいパーツの最たる物が楕円チェーンリングだろう。
下死点で足がすっぽ抜けてスプリントをかけにくい・変速性能の低下など、パーツやバイクとの相性で必ずしも投入したからと言って速くなれるわけではなく使い手を選ぶというのが最も大きな理由に挙がると思う。
私も楕円の投入に二の足を踏んでいたが、先月開催されたサイクルモードでQ-RingsとRIDEAの二種を試乗することできっかけを掴むことができた。
実際に走ってみて楕円への関心が深まり、ちょうどオークションで安価なものが出品されていたことからRIDEAの52-36t ±2tを落札し、約1月半ほど走り込んでみた。
パーツそのもののスペックや特性に関しては公式ページを参照
①外観
洗練されていた純性アルテグラのチェーンリングと比べて無骨になってしまった。主張が激しい…。
クランクアームとの段差をなくすためのナットも販売されていたが、資金不足で断念。軽量化できるからいいか。
②重量
カタログスペックで160g。量りがないため実測は割愛。
③変速性能
インナー→アウターにおける変速性能の低下が楕円で最も懸念される点の一つ、だと思っていたがそれは全くの杞憂だった。チェーン落ちやガチャ付きが全くなく、寧ろ純正よりパリッと上がってくれる。
サイクルモードで試乗した際の代理店の担当の方曰く「チェーンピンの位置とチェーンの道、チェーンリングの剛性にかなり重点を置いて設計したため変速性能はかなり良い」とのこと。まさか素人調整でもここまでスムーズに動いてくれるとは思っていなかった。
実際に走行してトルクをかけた状態の変速も◎。下りで脚が回っているときは「ホントに変わった?」とクランクを見てしまうほど。
登坂中のシフトアップもがっちりチェーンを捉えてくれるため、アタック時などもより積極的な走りができるようになった。
④平地巡航
最大直系の範囲が40度とかなり広いため、露骨に違いを感じるまではいかないが、引き脚の動きを程よくサポートしてくれるような感覚があり、それがケイデンスを高めてくれる。ランニングでいうとももを上げる際に下から太腿を優しく持ち上げられているような感覚に近い。
楕円が苦手な人が口にする「極端に足がすっぽ抜ける」ような感覚もなく、むしろささやかな程度の下死点での抜けがペダルを回す快感がどんどん癖になる。
⑤登坂
良くも悪くもペダルを強制的に回される。体力があるうちはスルスルと回ってくれるため平地同様気持ち良く進むが、峠の後半などで心肺機能が落ちていくとそれが仇となり高ケイデンスを維持するのが辛いのにゴリゴリ回され続ける状態に陥る。この辺りはより理解を深めてケイデンスとギアの調整を身体に染み込ませるしかないだろう。
中途半端にアウターで走り続けていると後半で踏める脚を残せなくなるため、迷ったら即インナーに落とし、リアを上げて調整するのがベター。
⑥スプリント、ダンシング
引き足での抜けを嫌いスプリンターは楕円ではなく真円を好んで使うことが多いらしいが、RIDEAは十分にスプリントをかけられることができた。
寧ろチェーンリングの直径の変化が滑らかなので、踏みたい部分でより強く踏め、踏み切ったらスルッと回ってくれることでより短い距離で伸びのある加速できるようになった。本来の巡航性能が高いことも相まって、最高速度での持続時間も気持ち程度ではあるが長くなった。
⑦まとめ
±2tであることと「かかり」の範囲が広いことで楕円の形が滑らかであることにより(メーカーでは『非真円』と言われている)、RIDEAは楕円のメリットを前面に出しつつもデメリットを最小限に抑えた癖のないチェーンリングだった。
楕円に興味を持っていてもなかなか試すことができなかった人にとって1番最初の楕円にうってつけだろう。
中でも私が1番魅力に感じたは変速性能の良さ。アップダウンの激しいコースや中途半端な勾配でも躊躇わずに変速出来る信頼性は刻一刻と状況が変化し柔軟な対応が求められる自転車競技において非常に重要である。
他の楕円チェーンリングで走り込んだことがないので比較のコメントはできないが、機会があればより楕円としての特性が強いQ-RingsやO.SYMETRICも実走で走り込んでみたい。
※あくまで個人の体感です。
ようやく開通、裏和田峠!
何気なくツイッターを見ていたところ、去年の夏に路面の一部が崩落し、今年の春頃から工事のために閉鎖した裏和田峠(藤野方面)が開通したというニュースを目にした。
高尾→大垂水→甲州街道→裏和田→陣馬街道→高尾で1周約50kmのコースをよく走っていた私にとってこの知らせは非常に心躍るもの。次の日に時間を作り早速出発。
それにしても八王子の冬は寒い、工事があと1か月早く終わっていれば峠を走るには絶好のタイミングだったのに。
藤野駅から約4キロの道を抜け看板・自販機のあるスタート地点へ。ここへ来たのはいつ以来だろうか…。
分岐点から計測スタート。
表(高尾側)の急勾配のイメージが先行していたせいか裏はゲート前まで緩いと思っていたが、久しぶりに登ると思いの外急で少しびっくりする。
緩急の激しい地形で脚を消耗しないように軽めのギアで回しつつゲート前へ。
画像のように閉鎖時は完全に閉まっていて侵入が出来なかったのが解放されていて少し安心。ガセじゃなくてよかった…。
しかし勝負所はここからで、ひたすら10~13%の坂の組み合わせ。距離はヤビツの半分以下だからすぐ終わるだろうと油断していたらいつの間にかゴリゴリ脚を消耗していた。
景色を見て少し気持ちに余裕を持たせようと富士山の方向を見るが曇りで何も見えない…。
疲れ切って忘れかけていたところでようやく崩落の現場へ差し掛かる。
ちなみに崩落直後の写真は以下。(閉鎖前)
しかしじっくりと見る余裕も無く「ここまで来たらあと少し」ということしか頭になかったため残りの力を振り絞り素通りし、最後の曲がりを越えてゴールイン。
タイムは20分33秒、過去のベストを約50秒更新する大記録!
20分切りが見えてきたかな。
少し落ち着いたところで来た道を下り、崩落現場の撮影へ。
地盤とアスファルトがしっかりと補強されただけでなくフェンスも新設されており、今後も安心して走ることができそう(別の部分がまた崩落するかもしれないですが)。
暗くなりかけていたので撮影もそこそこに表を下り、陣馬街道を経由しそそくさに帰宅。本格的に寒くなって凍結する前にもう何回か来よう…。
走行時間 1:56'39"
走行距離 50.48km
登坂高度 1161m
平均速度 26.0km/h
最高速度 52.8km/h
平均ケイデンス 78rpm
最高ケイデンス 113rpm